「常用型派遣」という言葉を聞いたことがあるけれど、「登録型派遣と何が違うの?」と疑問を持つ方は多いでしょう。厚生労働省の統計によると、派遣労働者数は2024年6月時点で192万人(前年比+3.4%)に達しており(出典:厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書」)、常用型派遣はその中でも安定就業を求めるエンジニアや専門職に選ばれています。本記事では、常用型派遣の仕組み・登録型との違い・メリット・デメリットをわかりやすく徹底解説します。
📌 関連記事
常用型派遣とは何か(定義・基本概念)
常用型派遣の法的定義
常用型派遣とは、労働者が派遣会社と期間の定めのない雇用契約(無期雇用)を結んだうえで、各派遣先に派遣される就労形態です。労働者派遣法に基づく「無期雇用派遣」とも呼ばれ、派遣先のプロジェクトが終了しても雇用関係は派遣会社との間で継続されます。
SES(システムエンジニアリングサービス)はこの常用型派遣に近い形態をとることが多く、エンジニアはSES企業の社員として雇用されながら、客先のプロジェクトに参画します。派遣法の適用を受ける「常用型派遣」と、請負・準委任契約ベースの「SES」は厳密には異なりますが、働き方の実態は類似しています。
登録型派遣との違いを徹底比較
常用型派遣 vs 登録型派遣 比較表
常用型派遣と登録型派遣の主な違いを以下の比較表で整理します。
| 比較項目 | 常用型派遣(無期雇用) | 登録型派遣(有期雇用) |
|---|---|---|
| 雇用契約の期間 | 無期限(正社員と同等) | 派遣期間中のみ |
| 待機中の給与 | ◎ 支払われる | ✕ 支払われない |
| 3年ルールの適用 | ✕ 適用なし(同一先に3年超可) | ○ 適用あり |
| 社会保険 | ◎ 常時加入 | △ 条件次第 |
| 収入の安定性 | ◎ 高い | △ 案件次第 |
| 採用選考 | ○ 書類・面接あり | ○ 登録・スキルチェック |
| 働き方の柔軟性 | △ やや制約あり | ◎ 高い(短期・単発可) |
最大の違いは「雇用の継続性」
常用型派遣と登録型派遣の最大の違いは、派遣先プロジェクトが終了した後の扱いです。登録型派遣では契約期間が終わると同時に雇用契約も終了し、収入が途絶えます。一方、常用型派遣では派遣会社との雇用が継続するため、次の派遣先が決まるまでの待機期間中も給与が支払われます。収入の安定性を重視するエンジニアや専門職に常用型派遣が選ばれる最大の理由がここにあります。
常用型派遣の主なメリット
①雇用・収入の安定
常用型派遣の最大のメリットは、雇用の安定性です。派遣会社の正社員(または無期雇用社員)として雇用されるため、プロジェクト終了後も給与が継続します。社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)にも常時加入できるため、フリーランスや登録型派遣と比べて生活保障が手厚くなります。
②3年ルールの適用なし
登録型派遣では、同一の派遣先・同一業務で働ける期間は原則3年が上限とされていますが、常用型派遣(無期雇用)にはこのルールが適用されません。長期的に同一現場でスキルを深めたいエンジニアや専門職にとって、大きなメリットになります。
③正社員に近い待遇・キャリア形成
常用型派遣では、昇給・賞与・退職金・有給休暇・スキルアップ支援など、正社員に近い待遇を受けられる企業が多くなっています。特にIT・SES分野では、資格取得支援・研修制度が充実した常用型SES企業が増えており、長期的なキャリア形成が可能です。
常用型派遣のデメリット・注意点
①採用選考がある
常用型派遣は派遣会社の社員として採用されるため、書類選考・面接・スキルチェックなどの採用プロセスがあります。登録型派遣のように登録だけで仕事を始めることはできません。特にITエンジニア系の常用型派遣では、技術力や経験が問われる場合があります。
②働き方の柔軟性は登録型より低い
登録型派遣では、短期・単発・パートタイムなど自分のペースで働き方を選べますが、常用型派遣では基本的にフルタイム勤務が求められます。育児・介護などの事情でフレキシブルな勤務を希望する場合は、制度の詳細を事前に確認することが重要です。
③給与水準が自社開発企業より低いケースも
常用型SES・派遣企業では、スキルと単価の関係が透明でないことがある点に注意が必要です。入社前に「単価公開制度の有無」「昇給の仕組み」「スキルアップに連動した給与改定の有無」を確認することが重要です。
IT・SES業界における常用型派遣の実態
SESと常用型派遣の関係
SES(システムエンジニアリングサービス)は法的には請負・準委任契約ですが、働き方の実態は常用型派遣に近いケースが多くあります。SES企業に正社員として雇用されたエンジニアは、客先のプロジェクトに常駐しながら、SES企業から給与・社保・研修支援を受けます。
矢野経済研究所の調査によると、2024年のIT人材派遣・SES市場規模は前年比3.0%増で推移しており(出典:矢野経済研究所「人材派遣市場に関する調査2024年」)、特にクラウド・AI・セキュリティ分野でのSES需要が拡大しています。常用型SESで多様な現場経験を積むことは、市場価値向上に直結します。
常用型派遣の選び方・注意すべきポイント
優良な常用型派遣・SES企業を見分ける6つのチェックポイント
常用型派遣やSES企業を選ぶ際は、以下の6点を必ず確認することをお勧めします。一つ目は「単価公開制度の有無」——自分の市場単価が透明に示されているか。二つ目は「待機期間中の給与保証」——プロジェクト終了後も給与が続くか。三つ目は「資格・研修支援の充実度」——スキルアップ投資を会社が支援してくれるか。四つ目は「案件選択の自由度」——自分の希望技術・業界の案件を要望できるか。五つ目は「リモートワーク対応案件の割合」——働き方の希望に対応しているか。六つ目は「離職率・平均在籍年数」——社員が長く働いている環境か。
株式会社HLTでは、上記すべてのチェックポイントを満たす環境でSESエンジニアのキャリア支援を行っています。
まとめ
常用型派遣(無期雇用派遣)は、雇用安定・社会保険完備・3年ルール非適用・待機中の給与保証など、登録型派遣にはない手厚い保護があります。一方で採用選考があり、働き方の柔軟性は登録型より低い点は理解したうえで選択することが大切です。IT・SES業界では常用型のSES企業が主流となっており、適切な企業を選べばキャリアの安定と成長を同時に実現できます。株式会社HLTでは、常用型SESエンジニアとして安心して長期的にキャリアを積める環境を提供しています。
📚 関連記事
参考文献・出典
- 厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書」(2024年)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000153498_00033.html
- 矢野経済研究所「人材派遣市場に関する調査(2024年)」https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3683
- 経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/











