SES・人材派遣公開日 更新日 執筆 株式会社HLT

SESに未経験から入るには?最初の仕事・研修の見分け方と会社選びの確認点

SESに未経験から入るには?最初の仕事・研修の見分け方と会社選びの確認点

未経験からSESエンジニアとして就職することは、2026年9月時点でも現実的な選択肢です。未経験者を研修してから現場に送り出すSES企業は多く、実務経験がなくても応募できる求人は珍しくありません。ただし「SESなら誰でも受かる」わけではなく、入社後の最初の仕事や研修の中身、待機中の給与の扱いは会社によって大きく違います。入る会社を選び間違えると、テストや監視の単純作業から抜け出せない、研修が名ばかりで現場に放り出される、といったことが起こりえます。

この記事では、「SES 未経験」で調べている人が気になる点を順に整理します。未経験者の最初の案件はどんな仕事か、SESの研修とは何でどう見分けるか、「未経験だとSESしか受からない」と感じたときの考え方、プログラミングスクールとの違い、そして未経験者でも安心して入れる会社を見分けるための確認項目です。

記事の後半では、株式会社HLTの未経験者向け研修と、未経験から応募できる求人についても紹介します。どの会社を選ぶにしても使える内容を中心にまとめているので、比較の材料として使ってください。

未経験でもSESに入れる理由と、「誰でも受かる」わけではない現実

SES(システムエンジニアリングサービス)は、SES企業に雇用されたエンジニアが、取引先企業のシステム開発や運用の現場で技術を提供する働き方です。契約は多くの場合「準委任契約」で、エンジニアへの業務の指示は雇用元のSES企業が行う建て付けになっています。仕組みの詳細は別の記事に譲り、ここでは未経験者に関係する部分に絞ります。

未経験者の採用が多い理由

SES企業は、エンジニアが現場で働くことで売上が立つ事業です。そのため、経験者だけでなく未経験者を採用して研修で育て、テストや運用保守など経験が浅くても担える案件に配属する会社が多くあります。IT人材の不足も背景にあり、経済産業省の「IT人材需給に関する調査」(2019年)では、2030年にIT人材が最大で約79万人不足するという試算が示されています。ただしこれは条件を置いた試算で、「未経験なら誰でも採用される」という意味ではありません。

「SES 誰でも受かる」は本当か

正直に言うと、誰でも受かるわけではありません。未経験者の選考では技術力よりも次のような点が見られることが多く、ここで評価されなければ不採用になります。

  • ITの仕事を選んだ理由を、自分の言葉で説明できるか
  • 入社前から少しでも自分で学び始めているか
  • 報告・連絡・相談ができ、取引先の人と普通に会話ができそうか
  • 勤怠や約束の時間を守れるか

一方で、「面接がほとんどなく、すぐに内定が出た」という会社には注意が必要です。採用のハードルが極端に低い会社は、研修や配属後のサポートにも手をかけていない場合があります。受かりやすさだけで会社を決めないことが大切です。

応募までに準備しておきたいこと

未経験者向けの選考では、何も勉強していない状態より、少しでも手を動かした記録がある方が有利になりやすいです。目安として、次のうち1〜2つに取り組んでおくと面接で話せることが増えます。

  1. 学習サイトや入門書で、1つのプログラミング言語(Java、JavaScript、Pythonなど)の基礎に触れる
  2. Linuxのコマンド操作や、ネットワークの基本用語(IPアドレス、DNS、HTTPなど)を学ぶ
  3. ITパスポートや基本情報技術者試験の勉強を始める。基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、2023年4月から通年のCBT方式で受験できるようになっています
  4. 学んだことや作ったものをメモやGitHubに残しておく

資格は必須ではありませんが、勉強中であること自体が学習意欲の裏付けになります。未経験からエンジニアを目指す全体の流れは未経験からエンジニアへの転職|実現可能性と必須準備でも整理しています。

未経験SESエンジニアの最初の仕事はどんなものか

未経験で入社した場合、最初の案件は「経験が浅くても手順に沿って進められる仕事」から始まることが多いです。代表的なものを表にまとめます。どれに配属されるかは、会社が持っている案件と、本人の研修の進み具合や希望によって決まります。

仕事の種類主な内容身につくこと
テストテスト仕様書に沿ってシステムを操作し、結果を記録する。不具合を見つけたら報告するシステムの動き、仕様書の読み方、不具合の報告の仕方
運用・監視サーバーやネットワークの監視画面を見て、異常があれば手順書どおりに対応・連絡するインフラの基本、障害時の対応の流れ
ヘルプデスク・社内SE補助社員からのPCやアカウントの問い合わせに対応する。PCの設定作業(キッティング)を行うOSやネットワークの基礎、説明する力
開発の補助・保守既存システムの小さな改修、簡単なプログラムの修正、テストコードの作成などを先輩の指示で行う実際のコードの読み方、チームでの開発の進め方
インフラ構築の補助手順書に沿ったサーバーの設定、作業記録の作成などを行うLinux、ネットワーク機器の設定の基礎

最初の案件で気をつけたいこと

最初の仕事がテストや監視であること自体は、悪いことではありません。実際のシステムや現場の進め方を知る入り口として意味があります。問題になるのは、同じ作業だけが何年も続き、次の段階へ進む道筋が見えない場合です。

入社前の面接では、「未経験で入った人の最初の案件は何が多いか」「そこから開発や構築の案件に移った例はあるか」「案件を変えたいときは誰に相談するか」を聞いておくと、入社後の見通しが立てやすくなります。答えが具体的であるほど、その会社が未経験者の配属について考えている可能性が高いと言えます。

初案件に入るまでの一般的な流れ

一般的には、入社後に社内研修を受け、そのあと会社の営業担当が案件を探し、取引先との面談(顔合わせ)を経て参画が決まります。面談から参画初日までの準備はSES入社から初案件参画まで完全ロードマップで詳しく説明しています。

SESの研修とは何か、良い研修と名ばかりの研修の見分け方

SESの研修とは、主に未経験者や経験の浅い社員が、現場に出る前に基礎を身につけるための社内教育です。期間は会社によって、数日から数ヶ月までかなり幅があります。

研修でよく扱う内容

  • ビジネスマナー、報告・連絡・相談、議事録やメールの書き方
  • パソコンやOSの基本操作、Linuxのコマンド
  • ネットワークの基礎(TCP/IP、DNSなど)
  • プログラミングの基礎(Java、JavaScriptなど)とSQL
  • Gitを使ったチーム開発の基本
  • 資格試験(ITパスポート、基本情報技術者試験など)の対策

研修の良し悪しを判断するポイント

求人票に「研修あり」と書かれていても、中身は会社ごとに違います。次の点を確認すると、実際に役立つ研修かどうかを判断しやすくなります。

  1. 期間と1日の過ごし方:何日間、1日何時間、どんな内容を学ぶのか。「1週間の動画視聴だけ」なのか、課題や演習があるのか。
  2. 教える人がいるか:質問できる講師や先輩エンジニアがいるか。教材を渡されて自習するだけの形式だと、未経験者はつまずきやすくなります。
  3. 研修の最後にできるようになること:研修の目標が「〇〇を作れる」「〇〇の資格を受ける」など具体的か。
  4. 研修中の雇用と給与:研修中も雇用契約が結ばれ、給与が出るか。研修中だけ給与が大きく下がる会社もあります。
  5. 研修費の自己負担や返還:研修費を本人が払う、または一定期間内に辞めたら研修費を返すよう求める契約になっていないか。
  6. 研修後のつながり:現場に出たあとも、相談できる先輩やメンターがいるか。

研修費の返還については、労働基準法第16条が、労働契約の不履行について違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておくことを禁止しています。研修費の返還の定めがこれに当たるかどうかは、研修の性質や契約の内容によって判断が分かれます。気になる条項があれば、入社前に書面で確認し、必要に応じて労働基準監督署などに相談してください。

「未経験だとSESしかない」と感じたときの考え方

未経験でエンジニアの求人に応募すると、内定が出るのはSES企業ばかり、という状況になることがあります。自社開発企業や受託開発企業の求人は、実務経験を条件にしているものが多いためです。「SESしかない」と感じるのは、珍しいことではありません。

SESから始めること自体は問題ではない

SESは、会社を通じてさまざまな現場を経験できる働き方です。未経験から実務経験を積む入り口として選ぶ人も多く、実務経験を積めば、応募できる求人の幅は広がります。大事なのは「SESかどうか」よりも、「その会社で、次につながる経験を積めるかどうか」です。

避けたほうがよいケース

一方で、次のような会社は、SESかどうかに関係なく慎重に考えたほうがよいでしょう。

  • 研修がほとんどなく、入社してすぐに現場に出される
  • どんな案件に入るのか、面接で具体的な説明がない
  • 経歴を実際より多く書くように求められる(経歴の水増しは、取引先とのトラブルや本人の負担につながります)
  • 待機中の給与や、研修中の給与について質問しても、はっきり答えてもらえない
  • 入社後の相談相手が決まっていない

SES企業の見分け方全般はSES企業の選び方完全ガイドにもまとめています。

SES以外の選択肢も並べて比べる

SES以外にも、社内SE(情報システム部門)の補助、ヘルプデスク、IT企業のテスト専門部署など、未経験から応募できる仕事はあります。SESに決める前に、仕事内容・給与・その先のキャリアを並べて比べると、納得して選べます。複数の会社から内定をもらい、条件を比較してから決めるのも一つの方法です。

プログラミングスクールとSES企業の研修、どちらを選ぶか

「プログラミングスクール SES」で調べる人は、スクールに通ってから就職するか、研修のあるSES企業に直接入るかで迷っていることが多いと思います。それぞれの特徴を比べます。

比べる点プログラミングスクール研修のあるSES企業に直接入る
費用受講料がかかることが多い。無料のスクールもある研修費は会社負担が一般的(会社により異なる)
収入受講中は基本的に収入がない(在職中に通う人もいる)雇用されていれば研修中も給与が出る
学べる内容コースを自分で選べる。Web開発など特定の分野に絞ったものが多い会社が持つ案件に合わせた内容になりやすい
就職先自分で選べるが、紹介先がSES企業中心になることもある入社した会社で働くことが決まっている
向いている人学びたい分野が決まっていて、費用と時間をかけられる人早く実務経験を積みたく、学びながら収入も得たい人

スクールを選ぶときに確認したいこと

スクールを経由して就職する場合も、最終的にSES企業に入ることは少なくありません。スクールを選ぶ際は、次の点を確認しておくと安心です。

  • 就職先としてどんな会社を紹介しているか(SES企業、自社開発企業など)
  • 受講料無料の場合、紹介された企業以外に就職したときや途中でやめたときに費用が発生しないか(規約を確認する)
  • 受講したい講座が、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象かどうか
  • カリキュラムに、応募したい職種で使う技術が含まれているか

どちらが正解ということはありません。すでに研修と給与の条件が良いSES企業から内定が出ているなら、スクールに通わずに入社し、実務の中で学ぶという選び方もあります。

未経験者が安心して入れるSES企業を見分けるチェックリスト

ここまでの内容をもとに、面接や内定後の条件確認で聞いておきたい項目をまとめます。聞きにくい内容もありますが、入社後の生活に直結するので、遠慮せず確認してください。回答は、できれば労働条件通知書などの書面で確かめましょう。

確認項目聞き方の例見るポイント
研修費の負担研修費用を自分で負担することはありますか。退職時に返す決まりはありますか会社負担か。返還の条項がないか
研修中の給与研修期間中の給与は、研修後と同じですか研修中だけ大きく下がらないか。雇用契約が研修開始時から結ばれているか
研修の中身研修の期間、内容、教えてくれる人を教えてください期間・内容・講師が具体的に説明されるか
案件の決め方最初の案件はどのように決まりますか。希望は聞いてもらえますか本人の希望や適性を聞く仕組みがあるか
待機中の給与案件が決まるまでの待機期間中、給与はどうなりますか通常どおり支払われるか、減額されるか
入社後の相談先現場に出たあと、困ったときは誰に相談しますかメンターや担当者が決まっているか。定期的な面談があるか
案件の変更今の案件を変えたいときは、どう相談すればよいですか相談の窓口と流れがあるか
資格の支援資格の受験費用や資格手当はありますか受験費用の補助、手当の有無と金額

待機中の給与について知っておきたいこと

SESでは、案件が終わって次の案件が決まるまでの間を「待機」と呼ぶことがあります。待機中の給与を通常どおり支払う会社もあれば、減額する会社もあります。会社の都合で仕事を休ませる場合、労働基準法第26条により、会社は平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。つまり、法律上の最低ラインと、会社が実際に払う額は別の話です。未経験で入社した直後は案件が決まるまで時間がかかる場合もあるため、待機中の扱いは入社前に確認しておきましょう。

面接で質問すること自体は失礼ではない

給与や研修の条件を聞くと印象が悪くなるのでは、と心配する人もいますが、働く条件を確認するのは当然のことです。聞き方は「入社後に安心して学ぶために教えてください」のように前向きに伝えれば問題ありません。面接での受け答えの準備はSES面談対策の完全ガイドも参考になります。

HLTの場合:未経験者向けの研修と応募できる求人

ここからは、株式会社HLT(東京都港区赤坂)の採用サイトに掲載している内容をもとに、未経験者に関係する制度を紹介します。

未経験者向けエンジニア研修コース(3ヶ月)

HLTには、未経験者向けのエンジニア研修コースがあります。入社から3ヶ月は研修期間として、メンターが付いた状態でプログラミングやインフラの基礎から現場でのマナーまでを学びます。その後、サポートを受けながら最初の現場で実務経験を積み、参画後も担当メンターが継続して支援します。

  • 研修期間中も同額の給与:研修中だけ給与が下がることはありません。
  • メンター制度:専任のメンターが1on1で定期的に支援します。メンタリングは月2回以上で、Slackなどでも随時質問できます。
  • 学ぶ機会:月2回の社内勉強会と、季刊のLT大会を開いています。
  • 資格取得支援:AWS認定・情報処理技術者試験などの受験費用を全額補助し、取得後は資格手当(AWS認定は月1万円〜、情報処理技術者は月5千円〜)を支給します。

未経験から応募しやすい求人と、経験者向けの求人

現在掲載している求人は3つです。未経験の方に関係する点を正確にお伝えします。

  • JAVAエンジニア:応募要件に「Java開発の実務経験(目安1年以上)またはJavaを習得中の方」とあり、実務経験がなくてもJavaを学んでいる方は応募できます。月額220,000円〜550,000円(経験・スキルによる)です。
  • フロントエンジニア:応募要件はHTML/CSS/JavaScriptの実務経験、ReactまたはVue.jsの開発経験(目安1年以上)などで、基本的には経験者向けです。求める人物像には「HTML/CSS/JavaScriptを習得してフロントエンド開発にチャレンジしたい方」も含まれています。
  • インフラエンジニア:応募要件はネットワーク機器の設定経験、Linuxサーバーの構築経験、監視ツールの利用経験で、経験者向けの求人です。

雇用形態は正社員と有期雇用契約があり(試用期間3ヶ月)、給与は正社員が月給24万円〜、有期雇用契約が月給22万円〜(経験・スキルを考慮)です。

選考について

応募に年齢制限は設けておらず、18歳以上であれば応募できます。選考は書類選考、カジュアル面談、技術確認、最終面接の順で進み、未経験者コースでは技術確認の代わりに適性検査となる場合があります。面接はZoomやGoogle Meetでのオンラインに対応しており、在職中の方は平日夜間や週末の日程も相談できます。

研修や入社後のことは採用のよくある質問にまとめています。応募はエントリーフォームから受け付けています。

よくある質問

SESの未経験者の給与はどのくらいですか?

会社や地域、雇用形態によって違うため、一律の相場を示すことは難しいです。求人票の月給だけでなく、研修中の給与、待機中の給与、残業代の扱い、賞与や手当の有無をあわせて比べてください。参考までに、HLTの場合は正社員が月給24万円〜、有期雇用契約が月給22万円〜で、研修中も同額の給与です。

文系や、パソコンが得意でない人でもSESエンジニアになれますか?

文系出身で未経験からエンジニアになる人はいます。必要なのは、わからないことを調べたり質問したりしながら学び続けることです。ただし、入社してからも学習は続くため、ITの勉強をまったく続けられそうにない場合は、応募前に入門書などで少し試してみることをおすすめします。

SESに入ってからでも、別の職種や会社に移れますか?

SESで実務経験を積んだあと、別の技術分野に移ったり、自社開発企業などに転職したりする人はいます。その際は、どんな案件で何を担当したかが評価されるため、担当した業務や使った技術を記録しておくと役立ちます。社内で案件を変えられるかどうかは、入社前に確認しておきましょう。

SESの研修だけで現場で通用するようになりますか?

研修で身につくのは基礎で、現場で必要なことの多くは実務の中で覚えていきます。そのため、研修の長さだけでなく、現場に出たあとに相談できる人がいるかどうかが大切です。研修後もメンターや担当者との面談がある会社を選ぶと、つまずいたときに立て直しやすくなります。

応募前に資格を取っておいたほうがよいですか?

必須ではありません。ただ、ITパスポートや基本情報技術者試験の勉強をしていると、ITの基礎知識があることや学習意欲を示しやすくなります。資格の選び方はSESエンジニアにおすすめの資格7選も参考にしてください。